EBC研究所
要約
英国金融規制当局（FCA）の目的は、取引者の権利を保護し、競争を促進するとともに、金融市場の公平で透明な運営を確保することです。
英国FCAは、Financial Conduct Authorityの略称です。2013年に設立され、銀行、保険会社、ブローカーなどの投資金融機関の規制を担当しています。世界で最も信頼されている2つの金融規制機関のうちの1つであるFCAは、米国のNFAと比較して高いレバレッジを提供しており、海外FXブローカーにとって非常に価値の高いライセンスとなっています。
英国におけるFCAの規制ライセンスには、次の4種類が含まれます。
1.FCAのEUライセンス
このタイプのライセンスは、4種類の中で最もレベルが低いものです。規制によれば、このライセンスを保有する企業はEU内で金融サービスを提供できますが、FCAの規制がなければ英国金融サービス補償制度（FSCS）を享受することはできません。
2.ARライセンス（Applied Representative）
EUライセンスとの違いは、ARライセンスを保有するブローカーがFCAによって規制され、FSCSに参加していている点です。このライセンスを保有する企業は、英国にオフィスを設立する必要はありません。
3.決済ライセンス（Payment license）
文字通り、決済業務も行う海外FXブローカーに配布されます。
4.フルライセンス
FCAで最も資格の高いライセンスであり、投資家や有力ブローカーに最も好まれるFCAライセンスです。
これらのライセンスは、異なる様式に基づいて以下の3種類に分けられます：
1）投資コンサルティング・ライセンス（IFPRU 50Kライセンス）： 会社設立に証拠金50,000ユーロが必要です。このライセンスを保有する会社は、投資家の資金を販売や保有することはできませんが、代わりに投資家の資金はFSCSによって保護されます。
2） STPライセンス（IFPRU 125Kライセンス）： 会社設立に証拠金125,000ユーロが必要です。STPライセンスを保有する会社は、マーケットメイクはできませんが、顧客資金を保管することが可能で、FSCSによって保護された資金でSTP（A-book）業務にのみ従事できます。
3）MMライセンス（IFPRU 730Kライセンス）： 会社設立に証拠金730,000ユーロが必要です。MMライセンスを保有する会社は、マーケットメイクだけでなく、顧客の資金を保有することができます。また、STP（A-book）やマーケットメーカー（B-book）業務を行うこともできます。資金は、FCAライセンスの最高レベルであるFSCSによって保証されています。
FCAを申請できる会社は次のとおりです。
1. 英国の現地金融機関または企業である
2. 英国で実際に業務を行っている金融機関または企業である
3. 専門家を雇用し、会社の取締役や株主を設立する必要がある
4. 保証金と申請料を全額支払うこと
5. 金融サービス補償制度への加入： 最大補償限度額50,000ポンド
6. マネーロンダリング防止規制、決済サービス規制、電子通貨規制などの関連規定を遵守する
共通の基準要件：
1.登録要件
FCAは、金融サービス業務に従事する全ての機関及び個人に対し、必要な認可及び監督を受けるための登録を義務付けています。登録要件には、申請書の提出、関連書類・情報の提供、手数料の支払いが含まれます。
2.資本要件
FCAが金融サービス機関に求める要件は、その性質や規模によって異なります。一般的に言えば、金融サービス機関は、市場での安定した運営と決済能力を確保するために十分な資本を持つ必要があります。
3.専門的な要件
従事する特定のビジネスに応じて、金融サービス機関および実務者の専門的資格および経験に対する要件を定める場合があります。例えば、投資コンサルティングや販売に従事する者は、投資アドバイザリー関連など、特定の資格を取得する必要があります。
4.規則の遵守
FCAは、行動規範、リスク管理、報告要件等を含む金融サービス機関及び個人に対する一連の規則・規制を定めています。金融サービス機関および個人は、これらの規則および規制を遵守し、その事業活動がFCA規制基準に準拠していることを確認する必要があります。
FCAの定める要件は、金融サービス活動、機関の種類、及び規制方針により異なる可能性があります。従って、具体的な要件については、公式のFCA文書やガイダンスを参照してください。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。
