公開日: 2025-11-03
株主優待株とは、企業が自社の株を持つ投資家に対して、商品券や食事券、自社製品などの特典を提供する制度です。
日本ではこの「お得感」が人気で、株の値上がり益や配当金に加えて実際に使える優待がもらえる点が魅力となっています。
特に近年は、長期保有で優待内容がグレードアップする制度を導入する企業も増えており、安定した資産形成を目指す個人投資家に注目されています。
この記事では、2025年におすすめの優待株を厳選して紹介し、利回りや実用性の観点から「どの株が買いか」をわかりやすく解説します。
優待株を選ぶポイント
優待株を選ぶ際は、「利回りの高さ」だけでなく、優待内容の実用性や長期的な価値も重視することが大切です。以下の4つのポイントを押さえておくと、満足度の高い投資ができます。
①優待利回り：金券や商品の価値を含めた総合評価
優待利回りとは、もらえる株主優待の価値を株価で割って算出した数値です。
たとえば、株価10万円で年間5.000円分の優待がもらえる場合、優待利回りは約5%となります。
数字だけを見ると魅力的に感じますが、優待内容の「使いやすさ」も合わせて考えるのがポイントです。
②配当利回りとのバランス：トータルリターンで判断
優待利回りだけでなく、配当金を含めた「総合利回り」で投資判断を行いましょう。
たとえば、優待利回り2%+配当利回り3%であれば、合計5%のリターンが期待できます。
配当が安定している企業ほど長期的に保有しやすく、優待の継続性にも安心感があります。
③優待内容の実用性：生活に役立つかどうか
優待内容は企業によって大きく異なり、食事券、カタログギフト、商品詰め合わせなどがあります。
実際に自分が使えるものや、金券として汎用性が高いQUOカード・電子マネー系は特に人気です。
「使い道がない優待」は実質的な価値が下がるため、実用性重視で選ぶと満足度が高くなります。
④長期保有特典の有無：長く持つほどお得になる制度
最近では、1年以上の保有で優待内容がグレードアップする「長期優遇制度」を採用する企業が増えています。
たとえば、オリックスやKDDIなどがその代表で、継続保有によってギフト内容が豪華になります。
短期売買ではなく、長期保有で恩恵を最大化できる優待株を選ぶのが賢明です。
タイプ別おすすめの優待株
優待株にはさまざまなタイプがあり、目的やライフスタイルに合わせて選ぶことで「より満足度の高い投資」が可能になります。ここでは、人気の5タイプに分けて代表的な銘柄とその特徴を紹介します。
高配当+優待のWリターン株
配当と優待の両方を重視したい投資家におすすめなのがこのタイプです。株価の値上がり益を狙いながら、配当金と優待品の2つのリターンを同時に得られます。特に安定した業績を持つ企業では、長期保有に適した堅実な投資対象となります。
代表銘柄：
KDDI(9433)：通信大手で、配当利回り3%超+カタログギフトの優待が魅力。
オリックス(8591)：配当とカタログギフト優待の“ダブル還元”が特徴。
JT(2914)：タバコ製品などの自社商品詰め合わせ+4%超の配当利回り。
これらは長期で保有することでリターンが安定し、インカムゲイン投資の定番とされています。
食事券・外食系優待株
日常的に利用できる実用的な優待として人気が高いのが「外食系優待株」です。家族や友人との食事に使えるため、「楽しみながら投資」できる点が特徴です。
代表銘柄：
日本マクドナルドHD(2702)：バーガー・サイド・ドリンク引換券セットを年2回贈呈。
すかいらーくHD(3197)：ガスト・ジョナサン・バーミヤンなどで使える食事券。
吉野家HD(9861)：牛丼や定食に利用可能な食事券を年2回発行。
このカテゴリーは外食費の節約にもつながるため、個人投資家からの支持が特に厚いジャンルです。
日用品・実用派優待株
普段の生活で使える商品や金券をもらえる「実用派優待株」は、生活防衛型の投資として注目されています。日用品やギフト券など、もらってすぐ使える優待が多く、満足度が高いのが特徴です。
代表銘柄：
イオン(8267)：買い物金額の一部がキャッシュバックされるオーナーズカード。
花王(4452)：自社製品の詰め合わせセットが人気。
コロワイド(7616)：電子ポイント形式で全国の系列店で使える優待。
日常生活に密着しているため、長期保有することで家計への実質的なメリットが大きくなります。
旅行・レジャー系優待株
旅行好きやレジャーを楽しみたい方におすすめなのがこのタイプです。ホテル宿泊券や施設の割引など、非日常を楽しめる優待が充実しています。
代表銘柄：
東日本旅客鉄道(9020/JR東日本)：運賃割引やグループホテル割引など。
東急不動産HD(3289)：リゾート施設「東急ハーヴェストクラブ」割引券。
HIS(9603)：旅行商品・ホテル予約の割引券を提供。
このタイプは金銭的な利回りよりも、「体験価値」を重視する投資家に向いています。
おすすめの優待株ランキング【2025年版】
| 銘柄 | 特長・優待内容 | 注目の理由 |
| イオン（8267） | 株主優待カード（買物1%還元など）など。 | 日常使いできる買物優待で「家族みんなで楽しめる」部門で人気。 |
| 日本マクドナルドHD（2702） | 食事券（6月・12月）など。 | 外食優待として馴染みがあり、優待実用性が高い。 |
| KDDI（9433） | カタログギフト的な優待＋長期保有優遇あり。 | 通信大手で安定性もあり、優待＋配当狙いとしても注目。 |
| すかいらーくホールディングス（3197） | 自社グループレストラン優待券（6月・12月）など。 | 飲食系優待として使える範囲が広く、利用しやすい。 |
| 西華産業（8043） | QUOカード等の金券優待。 | 優待＋配当で高利回りになっている銘柄として紹介されている。 |
| AB＆Company（7071） | 配当＋優待利回り＝11％超と紹介。 | 「リターン重視」の投資家に向いた高利回り銘柄として注目。 |
イオン(8267)
イオンの株主優待は、日常生活で活用しやすい「株主優待カード(オーナーズカード)」が最大の魅力です。イオングループ各店での買い物代金が 最大3%キャッシュバック されるため、家計の節約に直結します。さらに、イオンラウンジの利用など特典も豊富で、「家族で楽しめる優待」として高い人気を誇ります。日常消費に密着した優待内容のため、長期保有にも向いています。
日本マクドナルドホールディングス(2702)
外食系優待の定番ともいえる日本マクドナルドは、年2回(6月・12月)に食事券を贈呈しています。全国のマクドナルド店舗で利用でき、バーガー類・サイドメニュー・ドリンクの引換券がセットになっています。特に家族層や学生から人気が高く、優待内容の実用性は抜群です。配当も安定しており、優待+配当の総合満足度が高い銘柄です。
KDDI(9433)
通信大手のKDDIは、株主優待として**「au PAY マーケット商品カタログギフト」**を提供しており、食品・雑貨など幅広い商品から自由に選べます。さらに、5年以上の長期保有で優待内容がグレードアップする制度を導入しており、長期投資家に人気の高い銘柄です。通信事業という安定した収益基盤に加え、配当利回りも3%超と高水準で、安定性とお得感の両立が魅力です。
すかいらーくホールディングス(3197)
ガスト、ジョナサン、バーミヤンなど、全国展開するレストランチェーンを運営するすかいらーくホールディングスは、自社グループ店舗で利用できる優待カードを年2回発行しています。外食費の節約につながる実用的な優待として人気が高く、特にファミリー層からの支持が厚い銘柄です。近年は優待額がやや縮小したものの、利用頻度の高さから依然として安定した人気を保っています。
西華産業(8043)
西華産業は、工業機械や装置を扱う商社でありながら、QUOカードなどの金券優待を実施している点が特徴です。配当利回りが高く、優待を合わせると総合利回り5%超になることもあります。知名度は大手企業に比べて低いものの、堅実な経営基盤と高いリターンが評価され、「コスパ重視派」の投資家に注目されています。
AB&Company(7071)
美容業界向けのマーケティング支援を行うAB&Companyは、株主優待と配当を合わせると利回り11%超に達する高リターン銘柄として話題です。優待内容はQUOカードを中心としており、使い勝手が良い点も人気の理由です。成長企業ながらも株主還元に積極的で、短期的な利益より長期的なリターンを重視する投資家から高い支持を集めています。
よくある質問(FAQ)
Q1：株主優待はいつもらえるの?
企業によって異なりますが、一般的には「権利確定日」から約3か月後に優待が届きます。
例えば、3月末が権利確定日の企業なら、6月頃に優待品が発送されるケースが多いです。
優待を受け取るには、権利確定日の「2営業日前」までに株を購入し、保有しておく必要があります。
Q2：NISA口座でも優待はもらえる?
はい、NISA口座でも通常の口座と同じように株主優待を受け取ることができます。
NISAは非課税制度であり、優待の受け取りに影響はありません。
ただし、優待をもらうためには「単元株(通常100株)」を保有している必要があります。
Q3：優待だけでなく配当も狙うべき?
もちろんです。株主優待は「お得感」や「楽しみ」を得る要素ですが、配当は現金収入として安定したリターンをもたらします。
優待と配当の両方を考慮した「総合利回り(=配当利回り+優待利回り)」をチェックすると、より実質的な投資価値を判断できます。
特に高配当・高優待の銘柄は長期投資向きです。
まとめ・今後の展望
優待株は、株主が企業の製品やサービスを通じて“投資の楽しみ”を実感できる日本独自の投資文化です。
おすすめの優待株と高配当株を組み合わせることで、値上がり益だけでなく配当と優待の両面から安定的に資産を増やすことができます。
2025年は物価上昇の影響もあり、食品・日用品・交通など「生活に役立つ実用型優待」が一層注目される年になるでしょう。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。
