FXでボラティリティを把握するために、MT4/MT5で活用できるインジケーター5つを紹介します。リスク管理や取引チャンスの把握に役立ちます。
FXをするうえで、価格変動の大きさ、つまり「ボラティリティ」を常に意識できているでしょうか?
ボラティリティは、取引チャンスを増やすため、またリスクを最小限に抑えるためにもFXでは把握が欠かせない要素です。
しかしボラティリティはさまざまな要素で変動するので、適切に分析をすることは簡単ではありません。
そこでインジケータ-を活用することで、ボラティリティの値を明確に数値化できたり、視覚的に分かりやすく把握できたりします。
本記事では、ボラティリティの基本概念から、MT4/MT5で活用できるボラティリティが分かるインジケーターなどを以下の項目で詳しく解説します。
FXではボラティリティの把握がなぜ重要なのか?
ボラティリティの変動を把握することは意外と難しい
MT4/MT5で使えるボラティリティを把握できるインジケーター
ボラティリティが分かるインジケーターを使いこなすコツ
MT4/MT5で取引をするなら信頼性抜群の海外FX業者EBC
まとめ
FXのインジケーターについては、以下の記事もご覧ください。
≫
FXではボラティリティの把握がなぜ重要なのか?
FX取引において、ボラティリティ(価格変動の大きさ)は極めて重要な要素です。
なぜならボラティリティが高いと短期間で大きな値動きが発生し、それだけ利益を狙うチャンスが増えるからです。
特にスキャルピングやデイトレードを行うトレーダーにとっては、ボラティリティが十分にある相場のほうが利益を出しやすいのです。
一方で、ボラティリティが高いということは、急激な価格変動により想定外の損失を被るリスクも増えることを意味します。
ボラティリティを把握することは、適切なリスク管理を行うためにも重要なのです。
ボラティリティには2種類ある
ボラティリティには、「ヒストリカル・ボラティリティ(HV)」と「インプライド・ボラティリティ(IV)」の2種類があります。
それぞれの概要は以下の通りです。
ヒストリカル・ボラティリティ:過去の相場から価格変動の大きさを示す指標
インプライド・ボラティリティ:将来の価格変動の大きさを予測する指標
インプライド・ボラティリティは「予想変動率」とも呼ばれ、将来の価格変動の大きさを市場参加者がどのように予測しているかを示す指標であり、主にオプション価格から計算されます。
簡単に言えば、IVが高いほど市場の不確実性も今後高まると考えられます。
一方で、ヒストリカル・ボラティリティは「歴史的変動率」とも呼ばれ、過去の価格変動に基づいて算出される指標です。
一定期間の価格データから統計的にボラティリティを計算し、標準偏差として表されます。
FXで利用するインジケーターは基本的に「過去のデータ」を元に計算されます。
したがって、インジケーターでボラティリティを把握する場合は、主にヒストリカル・ボラティリティを活用することになります。
インプライド・ボラティリティは、インジケーターではなく、VIX指数や日経VIなどの指数を用いて確認するのが一般的です。
ボラティリティの変動を把握することは意外と難しい
ボラティリティは以下のようにさまざまな要因に左右されるため、把握することは決して簡単ではありません。
経済指標の発表(雇用統計、CPI、GDPなど)
金融政策の発表(FOMC、ECB、日銀の政策金利決定)
市場センチメント(リスクオン・リスクオフ)
地政学的リスク(戦争、政情不安、貿易摩擦)
大口投資家の動き(ヘッジファンドや機関投資家のポジション)
たとえば、経済指標が市場予想と大きく乖離した場合、ボラティリティは急激に上昇することが多いですが、市場の反応が鈍いケースもあります。
またローソク足の大きさからもボラティリティを判断することが可能ですが、感覚的にボラティリティの変化を捉えるための経験がある程度必要になります。
インジケーターを使えばボラティリティを理解しやすくなる
ボラティリティの変動を把握する際には、インジケーターが役立ちます。
たとえば「ボリンジャーバンド」を使えば、バンドの拡大・縮小を確認するだけでボラティリティの高まりを簡単に理解できます。
また外部インジケーターを使えば、ヒストリカル・ボラティリティの高まりをオシレーターの形で確認できるようにもなります。
このようにボラティリティを客観的に分析するためには、インジケーターの利用が欠かせないのです。
MT4/MT5で使えるボラティリティを把握できるインジケーター
MT4/MT5に標準搭載されている、ボラティリティを把握するために役立つインジケーターとして以下の3つを紹介します。
ボリンジャーバンド
ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)
DMI・ADX
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線を基準に価格の変動幅を示すインジケーターです。
バンドの上下には、価格の標準偏差(シグマ)をもとに計算されたライン(バンド)が表示され、ボラティリティの変化を視覚的に把握できます。
ボラティリティが高まるとバンドが拡大(エクスパンション)、低下するとバンドが収縮(スクイーズ)します。
また、±2σバンドに価格が収まる確率は計算上95%以上なので、±2σバンドを超える価格変動が発生すると異常な相場状況だと判断することもできます。
ボリンジャーバンドについては、以下の記事を参考にしてください。
≫MT4におけるボリンジャーバンドの設定方法|色分けや3本表示にする手順を解説!
ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)
ATR(Average True Range)とは、ローソク足1本に注目して価格変動の平均値を算出するインジケーターです。
以下3つのうち最大値がトゥルー・レンジとされ、その値を連続して計算した結果の移動平均値がATRとして表示されます。
当日の高値-前日の終値
当日の安値-前日の終値
当日の高値-当日の安値
ATRが上昇していればボラティリティが高まっている、下落していればボラティリティが低くなっていると判断することができます。
ATRが上昇している場合は「大きな利益幅を狙おう」、下落している場合は「謙虚に利益確定をしておこう」などといった風に使うことが一般的です。
DMI・ADX
DMI(Directional Movement Index)とは、トレンドの強弱を把握できるインジケーターであり、「方向性指数」と呼ばれます。
DMIでは、当日の高安値と前日の高安値をもとに計算された、以下3つのラインの方向性からボラティリティを把握することができます。
+DI:上昇トレンドの強弱を表す
-DI:下落トレンドの強弱を表す
ADX:トレンド全体の強弱を表す
たとえば、+DIが-DIを上抜けると上昇トレンドであり、かつADXも上昇していれば強い上昇トレンドだという判断ができます。
ボラティリティの理解にさらに役立つインジケーター
MT4/MT5の機能にはない、さらに便利な機能を持つ外部インジケーターをMT4/MT5にはダウンロードできます。
ボラティリティの理解にさらに役立つ便利な外部インジケーターとして、以下の2つを紹介します。
EMAとATRで構成された「ケルトナーチャネル」
最もオーソドックスなインジケーター「Historical Volatility」
MT4で外部インジケーターを表示する方法については、以下の記事を参考にしてください。
≫【完全版】MT4へのインジケーターの入れ方|外部インジケーターの追加方法や削除方法も徹底解説
EMAとATRで構成された「ケルトナーチャネル」
ケルトナーチャネルとは、EMAとATRで構成されたインジケーターであり、見た目はボリンジャーバンドと似ています。
ボリンジャーバンドとの違いは、センターバンドがEMAである点と、バンドが標準偏差ではなくATRをもとに計算されている点です。
ケルトナーチャネルを超えて価格が変動するほど、ボラティリティが高いと判断することができます。
なお、MT4には標準搭載されていないので外部インジケーターを使わなければなりませんが、MT5にはナビゲータの「Free Indicators」項目に搭載されています。
最もオーソドックスなインジケーター「Historical Volatility」
Historical Volatilityは、ヒストリカル・ボラティリティを確認できる最もオーソドックスなMT5用インジケーターです。
仕組みもシンプルで、設定期間における平均価格の平均偏差を計算することで表示されています。
Historical Volatilityでは、ボラティリティが高まるとラインが上昇し、低下すると下落します。
ボラティリティの上昇、低下で色分けもされているので、視覚的に分かりやすい点も特徴です。
ボラティリティが分かるインジケーターを使いこなすコツ
ボラティリティが分かるインジケーターを使いこなすためには、以下の3つのコツを意識してみてください。
取引時間にも注目する
通貨ペア選びに気をつける
ボラティリティの上昇は順張りのシグナル
取引時間にも注目する
ボラティリティは取引時間帯によって大きく異なります。
各市場においてボラティリティが高まりやすい時間帯の例を以下の表にまとめました。なお以下は日本時間です。
市場 | 時間 | 概要 |
東京時間 | 午前10時前後 | 仲値の発表 |
ロンドン時間 | 午後5時~7時 | 欧州経済指標の発表 |
ニューヨーク時間 | 午後9時~11時 | 米国経済指標の発表やロンドンフィキシング |
午前0時~1時 |
ボラティリティが分かるインジケーターを活用する際には、上記の時間にも該当するかにも注目しておくとより根拠のある取引ができるようになります。
銘柄選びに気をつける
取引時間帯だけでなく、銘柄ごとにもボラティリティの特徴が異なります。
たとえば、ポンドや新興国通貨(メキシコペソ、トルコリラ)、コモディティ(原油、ガス)などはボラティリティが高い銘柄として知られています。
一方で、ドル円やユーロドル、合成通貨(AUD/NZD、EURGBPなど)は比較的ボラティリティが安定しています。
なるべくボラティリティが高い銘柄でボラティリティが分かるインジケーターを使うことで、取引チャンスを見つけられる可能性を高められます。
ボラティリティの上昇は順張りのシグナル
ボラティリティが急上昇した際には、トレンドに沿った取引である「順張り」が有効になります。
たとえば、価格が重要な水平ラインをブレイクした際に、インジケーターでボラティリティの高まりも確認できると、以降は本格的なトレンド継続を期待できます。
一方で、このような本格的なトレンドが高まったタイミングで逆張りをするとリスクが高いので、避けるようにしましょう。
MT4/MT5で取引をするなら信頼性抜群の海外FX業者EBC
EBCは、英国FCAライセンスやオーストラリアASICライセンスなど、世界トップレベルの金融ライセンスを保有している信頼性の高い海外FX業者です。
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まとめ
この記事では、FXにおけるボラティリティの重要性や、ボラティリティを把握するために役立つインジケーターについて解説しました。
ボラティリティが高いと取引チャンスが増えますが、同時にリスクも伴います。
したがって、ボラティリティを適切に把握するためにもインジケーターを使って客観的、かつ効率的に相場を分析することが必要になります。
インジケーターに加えて取引時間や通貨ペアの選び方も工夫し、ボラティリティを味方につけて戦略的にFX取引を行いましょう。
※当記事は、日本国内在住の方は対象ではございません。また日本国外に在住している方へ向けた情報提供のみを目的としており、投資についてのアドバイスや助言は一切行っておりません。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。
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