2025-09-16
ポンドは対円で上昇を続け、GBP/JPYは1年以上ぶりの高値となる200.50を上回った。これは、市場がイングランド銀行(BoE)と日本銀行(BoJ)の今後の政策決定を注視する中、ポンド高と円安が続く中での動きを反映している。
政策期待がポンドを支え
投資家がイングランド銀行(BoE)の短期的な金融緩和期待を縮小する中、ポンドは堅調な需要を獲得している。最新の英国GDPは停滞を示したものの、早期利下げに傾くほどの弱さではなかった。このためポンドは堅調に推移しており、インフレ率と雇用統計はBoEの政策ガイダンス形成において決定的な役割を果たす可能性が高い。
日銀の警戒感の中、円は苦戦
トレーダーらが日銀の政策正常化のペースに疑問を抱き続けているため、円は引き続き圧力にさらされている。
年内に調整が行われるとの憶測があるものの、9月の会合では金利が据え置かれると広く予想されている。差し迫った措置がないことは、イングランド銀行の慎重な姿勢とは対照的であり、GBP/JPYは上昇傾向にある。
より広範な市場感情の影響
リスク選好もクロス円を支えている。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め観測の弱まりが世界的な金融環境を緩和させ、安全資産としての円への資金流入を減少させた。この力学は、特に株式市場が底堅い状況にある中で、ポンドの相対的な強さを増幅させている。
注目すべきテクニカルレベル
GBP/JPYは心理的節目の200.00を上回って推移し、重要なサポートゾーンとなっている。短期的なレジスタンスは200.50付近とみられており、アナリストは勢いが続けば204.00~204.20への上昇が見込まれると指摘している。
一方、下落局面では、199.50を下回れば、195.00~197.00の範囲への調整が進む可能性がある。
バランスを変える可能性のあるリスク
いくつかの要因が状況を急速に変える可能性がある。英国のインフレ率や雇用統計が好調であれば、イングランド銀行が長期にわたって高金利を維持するとの見方が強まり、ポンドを支えるかもしれない。
逆に、期待外れの指標はポンド安につながる可能性がある。日本側では、日銀からの予想外のタカ派的なシグナルは円高要因となるかもしれない。さらに、世界的なリスクセンチメントの変化(例えば、株式市場の急落)は、安全資産としての円需要を再び呼び起こし、GBP/JPYの上昇を抑える可能性がある。
見通し
短期的には、ポンドがサポートされ、日銀が予想外の政策変更を回避している限り、GBP/JPYは堅調に推移する可能性が高い。200.50を上抜ければ、204.00に向けてさらに上昇する根拠が強まるだろう。一方、イングランド銀行(BoE)のハト派姿勢や日銀のタカ派姿勢が示唆されれば、反落のきっかけとなる可能性がある。
結論
GBP/JPYが200ドルを超えたことは、両通貨ペアにとって重要な局面であり、相対的な経済パフォーマンスと金融政策の方向性の乖離を反映している。今後の動向は、経済指標の発表と中央銀行のコメントに左右されるだろう。トレーダーは、ポンドが円に対して優位性を維持できるかどうかを注視している。
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