日本航空株は外部要因に左右されやすいものの、安定配当や優待を活かした長期投資に適した銘柄です。この会社はコロナ禍から業績回復を遂げ、訪日客増加や経営改革が成長を後押ししています。
日本航空(JAL)は、日本を代表する大手航空会社であり、多くの投資家から注目される存在です。近年はコロナ禍による打撃から徐々に回復し、訪日外国人の増加などインバウンド需要の拡大も追い風となっています。本記事では、日本航空株の現状や業績、将来性、そして投資判断に役立つポイントをわかりやすく解説していきます。
日本航空の基本情報
日本航空(JAL)は1951年に設立され、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しています。主な事業は、国内外の旅客輸送・貨物輸送に加え、旅行商品やマイレージサービスなども展開。全日本空輸(ANA)と並ぶ日本の二大航空会社の一つで、ANAが積極的な国際展開を進めているのに対し、JALは効率性やサービス品質に強みがあります。
日本航空の業績推移と現状分析
日本航空は、コロナ禍で大きな赤字に転落しましたが、その後は国内外の旅客需要回復により業績が持ち直しています。特に2025年3月期の決算では、売上高・営業利益ともに大きく改善し、黒字を維持。訪日外国人の増加や円安効果が追い風となっています。また、コスト削減や新機材の導入など、経営再建にも力を入れており、着実に回復を進めている状況です。
日本航空株の株価動向
1.過去数年間の株価チャートの推移
日本航空(JAL)の株価は、2019年まではおおむね2.000円〜3.000円前後で推移しており、業績も安定していたことから投資家からの信頼も厚い銘柄でした。しかし、2020年に入って新型コロナウイルスの感染拡大により、株価は急落。2020年3月には一時1.030円まで下落し、以降も低迷が続きました。
2022年以降は、段階的な水際対策の緩和や国内旅行需要の回復、そして訪日外国人観光客の戻りなどを背景に株価も回復基調に転じ、2025年現在では1.500円前後まで持ち直しています。
2.株価に影響を与えた主な出来事
JALの株価は以下のような外部要因に非常に敏感で、短期的な値動きも大きい傾向があります。
コロナ(2020年)
国際線・国内線ともに運休・減便が相次ぎ、業績悪化とともに株価が急落。
原油価格の高騰(2022年〜2023年)
航空燃料費の上昇により、コスト増が懸念され株価の上値が重くなる場面も。
円安進行(2023年以降)
外貨建て収益が増えたことでポジティブ要因に。インバウンド収入も増加。
インバウンド回復・観光需要の増加(2024年〜2025年)
訪日客数の急増により国際線収益が回復し、株価押し上げの要因に。
2.現在の株価水準と割安性
2025年8月現在、日本航空株価はおおむね1.500円前後で推移しています。株価水準としてはコロナ前と比べてまだ完全には回復していないものの、業績は改善傾向にあり、将来的な上昇余地があると見る投資家も少なくありません。
PER(株価収益率):約13倍(2025年3月期ベース)
市場平均と比べてやや割安〜適正水準と評価されることが多い。
PBR(株価純資産倍率):約0.9倍
純資産から見て割安感のある水準。バリュー株としての側面も。
配当利回り:約2.0〜2.5%
高配当とは言えないが、安定配当銘柄として魅力あり。
3.投資家の注目ポイント
中長期的なインバウンド需要の継続性
原油価格の変動リスクとヘッジ手段
為替動向と国際線の乗客数
株主優待制度による個人投資家人気の維持
全体として、日本航空株は景気や外部環境に左右されやすい一方で、回復局面では株価の上昇余地も大きい銘柄と言えます。今後の動向次第で、バリュー投資の対象として注目度が高まる可能性もあります。
日本航空株の強みとリスク要因
日本航空の強みは、コロナ禍からの回復で国際線や観光需要が増えていることです。特に訪日外国人の増加は大きな追い風となっており、燃費効率の高い新型機材の導入や環境に配慮した脱炭素経営にも力を入れています。
一方で、投資にはリスクも伴います。原油価格の上昇は燃料コストを押し上げ、為替の変動や世界的な景気減速、地政学リスクも業績に影響します。また、LCC(格安航空会社)など国内外の競合激化も課題です。これらを踏まえた上で、成長の可能性とリスクのバランスを見極めることが重要です。
配当・株主優待の魅力
日本航空は安定した配当を出しており、配当利回りはおおむね2〜3%程度で推移しています。また、株主優待として国内線の割引券やツアーの割引などがあり、長期保有することでこれらの特典を受けられるメリットがあります。こうした配当と優待の組み合わせは、個人投資家にとって魅力的な投資ポイントとなっています。
日本航空株は買いか?投資判断まとめ
日本航空株は、中長期的に成長が期待できる銘柄です。安定した配当や株主優待があり、長期投資に向いています。ただし、原油価格や為替の影響で短期的に株価が変動しやすいため、リスクを理解した上で投資することが大切です。
結論
日本航空株は業績が回復しているものの、原油価格や為替など外部の影響を受けやすい特徴があります。投資する際は、業績の動向や市場環境をしっかり見ながら、配当や株主優待のメリットも考慮しましょう。何より、自分の投資スタイルに合っているかどうかをよく見極めることが大切です。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。